SSイベント報告

東京女子大学同窓会 埼玉支部 の活動のあれこれをお伝えします。
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2018 支部の集い(さいたま共済会館)

第1部 総会

 

5月19日(土)13時より、雨が心配されましたが、多くの晴れ女の皆様方のおかげで、青空がのぞくよい総会日和りとなり、56名のご参加による「第21回埼玉支部の集い」が開催されました。


副支部長の司会のもと校歌斉唱にはじまり、荒木支部長の挨拶に続き第3号までの議案の承認をえました。

収支報告では20周年に関する記載の内容についてとVERA募金についてご質問がありましたが、それぞれ担当者、支部長、島津同窓会財務委員長から説明がありご理解くださいました。

最後に次年度役員改選にあたり人材を求める動きを運営委員会に期待するとのご意見をいただきました。

 

講演会の熱気が残る中、茶話会が始まりました。今回座席はくじ引きでしたので、同じテーブルで初対面のかたもいらしたのではと思われましたが、どのテーブルでも大いに会話が弾み、さすが同窓生と感心したり、感動したり、役員としてはうれしい限りでした。
また今年は2013年卒というお若い方の参加もあり、若い方の考えや悩みをうかがえたのもある意味参考になりました。

高齢者の視点ばかりでは狭くなるばかりなので、いい機会を持たせていただいたと思います。
今回の集会の成果を明日につなげていこうと思った意義ある一日でした。


第2部 講演会
『100周年を迎える女子大の今と女性の活躍』
東京女子大学 国際英語学科准教授 安部 由紀子先生

 

*プロフィール*
東京女子大学英米文学科卒業。

早稲田大学アジア太平洋研究科(国際関係)修了。

読売新聞 社会部記者、国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所広報官を経て、2018年4月より現職。

専門はジャーナリズム、国際広報、翻訳。

女子大在学中にバングラデシュで教育支援をするNGO『アジアキリスト教教育基金(ACEF)』のスタディツアーに参加したことがきっかけで、国際協力に関心を持つ。新聞記者としてもバングラディシュを再訪。現在、同NGO評議員も務める。

「目を閉じて、思い出してください。東京女子大学に入学した日のこと、初めて東女に足を踏み入れた時のこと、初めてお友達ができた日のこと・・・」と始まり、静まり返った会場。

一瞬ですっかり引き込まれ、1時間半の講演はあっという間に感じました。

しっかりとした芯を持ちながらも、軽やかにキャリアをシフトチェンジしていく安部先生のお話に、世代の違う同窓生が一様に感銘を受けました。


〜講演ダイジェスト〜


―子大時代

大分県の周囲を田んぼで囲まれたような公立学校でのんびりと育ち、尊敬する叔母の母校・東京女子大学で勉強してみたいと中学生の頃から考えていた。
入学時には、おっとりとした性格の自分が新聞記者になるとは想像もしていなかった。
大学3年生で、バングラデシュに学校をつくる活動をしていた『アジアキリスト教教育基金(ACEF)』というNGO主催のスタディツアーに参加したことで一変する。
靴が買えない、学校に行けない等、自分にとって当たり前の環境が当たり前でない現地の貧困を目の当たりにし、自分にも何かできないかという思いから、この時の体験を寄稿したところ、地元の大分合同新聞に掲載された。
その記事を読んだ特別なお金持ちという訳でもない、小学校で校務員をする方が「バングラデシュに行ったことはないが、戦後の貧しい時期を経験したから貧困の辛さはよくわかる。社会の役に立てるなら」と、毎年100万円を寄付してくれることになった。(退職までに計1000万円の寄付となる)
この経験から、新聞が社会に与える影響を実感し、国際協力も可能な新聞記者という職業を目指すことになった。

 

⊃景控者時代

英語力や元気の良さという個性で、若手ながらも日韓ワールドカップや愛知万博、沖縄の米軍基地、国際会議などの取材に参加し、世界の広さを実感した。
そして“良い仕事をすれば、次にまた良い仕事が与えられる”ことを学んだ。
当時は女性新入社員が1割、各支局にも女性記者は1人という状況で、女性としてどう働いていくか迷うこともあった。
しかし、誠実に日々の仕事をし、途上国の取材をしたいという思いを持ち続け、声をあげ続けていたら、機会を与えられてバングラデシュを再訪できるなどキャリア面ではとても恵まれていた。
記者として政治家や著名人に会う機会が多い一方、地域のために頑張っている市井の人や、(日々の生活に追われ、かつ日本語ができず声をあげずらい状況にあった)中国残留孤児の方のように社会に見えにくい人々と出会う機会も多かった。
取材されたがっている人よりも、自分は大したことをしていないと言う人の方が素晴らしいことをしていることも多かった。
立派そうなことを発言することと、実際に立派な行動をすることは同一ではないということもわかってきた。
この頃から、肩書で人は判断できないと思いだした。

 

A甍霤賃膤愨膤惘.▲献太平洋研究科時代

30代になって国際協力への思いから読売新聞社を退職し、メディアの仕事をしながら早稲田大学大学院に進学して「難民の第三国定住」をテーマに研究。
自国を逃れて新しい国に来た人たちを、どのように社会で受け入れ共生していくか(=社会統合)について、難民受け入れが進んでいるオーストラリアやカナダでのフィールド調査、インタビューも行い、日本との比較研究をし、研究論文を執筆した。
日本は長い間“難民鎖国”であったが、2010年よりタイの難民キャンプにいるミャンマー難民(=第三国定住難民)を毎年30人受け入れ始めた。
国連職員になってからタイの(難民の滞在が)長期化する難民キャンプを訪れる機会があり、普通の村と変わらない姿に驚いた。
しかし、彼らにはキャンプの外を歩く自由はないし、明日の身の安全は保障されていないし、選挙権があるわけでもない。難民には紛争や政治活動を理由に自国を離れる政治難民、気候変動や天災などで地域にいられなくなる強制移民(“環境難民”)など様々で、私達日本人も難民になる可能性を持っている。
そして、実際にここ日本でも、私たちの身近にも難民の方が多く生活していることを是非知ってもらいたい。

 

す駭開発計画(UNDP)時代

国際協力のキャリア構築を考えていたところ、大学院修了間近にUNDP駐日代表事務所で広報のポジションの募集があり、応募して採用される。
UNDPは世界177か国で活動をし、紛争予防、気候変動、災害復興、選挙支援、ジェンダー平等の推進など幅広く活動をするいわば「総合商社」のような国連機関である。
駐日代表事務所での広報業務の1つは、税金で資金提供をしてくれている日本政府や日本国民に対し、国連がどのように資金を活用しているか、どのような支援を必要としているかなどを説明したり、資金が必要な折の資金調達をすることだった。業務を通じて、昔から憧れていた元国連難民高等弁護官の緒方貞子さんと一緒に仕事をさせていただく機会や、世界で最も影響力のある女性100人に選ばれたヘレン・クラークさん(元UNDP総裁、元ニュージーランド首相)、日本人女性の国連職員の中で最高位にある中満泉さん(元UNDP局長、現・国連事務次長)などの仕事を身近で支える中で、女性のリーダーシップを学んだ。
国連や国際社会では多くの女性が幹部として活躍しており、日本でも、女性が政治のトップや企業の幹部に当たり前のようにいる社会になってほしいという思いを強くした。
国連という巨大で、様々な価値観、文化が混在する組織で働くと大変なこともあるが、逆に楽しいことも多い。
コミュニケーションの取り方を工夫しながら、世界中にいる職員と一緒に力を合わせて働いてきた。
また、在職時はインターンとして数カ月間、国連事務所に来る大学生、大学院生の日々の業務管理、教育を通して、人の成長を目の当たりにした。必要なことをきちんと教え、経験を積む機会を与えられれば、どんどん磨かれて成長していく若者の姿に感銘を受けていた矢先、東京女子大100周年に合わせて新設される国際英語学科で教えないかと打診を受けた。

 

East West Center時代

人に教える経験のなかった私は、東京女子大での勤務開始より少し早めに国連を退職し、シフトチェンジを兼ねてアメリカ・ハワイにある米国政府系シンクタンクEast West Centerでフェローとして、9か月のプロフェッショナル・トレーニングを受けた。
アジア太平洋地域の15か国から選抜された23人と一緒に地域のリーダーとして何ができるかを実務的に学ぶコースである。
研修の中で、ハワイや米国本土の州立大学で学生を前に英語で講義やワークショップを企画・運営をする機会も得て、自信もついた。
何よりハワイの素晴らしい自然環境が、時間を精一杯使うことにばかり目を向けていた私に、美しい景色を見たり、ピクニックに行ったりとリラックスをして生活を楽しむことの大切さを教えてくれた。

 

女子大の教師に着任して

最初の講義では『If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.』というアフリカの諺を学生に伝えている。
クラスで学ぶからには、多様な価値観に触れたり、チームの大切さを知ってもらいたい。
そしてチームが力を発揮するには一人ひとりの心理的安全性(Psychological Safety)が必要なので、誰もが意見を自由に言える空間を作れるよう、発表を聞いたときにはみんなで拍手をして称える、控えめな学生には相手が話しやすいように考慮して声をかける、各自の強みを持ちよるなどを推奨している。
昔も今も、東京女子大は勤勉で真面目な学生が多いように感じる。
各指導教科の中で、学問以外に、他人や自分の価値観を大切にすること、人に真摯に向かう姿勢や相手の話に耳を傾ける力(爛螢好縫鵐闇塾廊瓠法▲蝓璽澄璽轡奪廚覆匹鮨ばして、人間としての魅力を高めるような教育をしていければと考えている。

 


 

質疑応答から抜粋

 

Q:先生が女子大で教えている内容を教えてほしい。
A:実践的な英語の使い方を教える『Professional English』 というクラスや、異文化理解、グローバル人材論、ジェンダーや女性のキャリア構築など。Professional English は選択科目だが、学科の約3分の2が受講する100人規模のクラスで、英字新聞や国連の文書の読み方、メディアリテラシー、国際広報などを教えている。

 

Q:働いて6年目だが、体力の面や周囲の目から男女同等に仕事をするのが難しいことを感じ始めている。
グローバルジェンダーギャップの低い北欧の国々はどうしているのか?

A::北欧も以前は、昔は日本と似たような状況だったが、制度を変革し、法律やインフラ整備をしていった結果、多様な働き方、休暇の取り方などができるようになった。日本もゆっくりとではあるが変わってきているので、まずは“声”を上げていくことが大事だと思う。

 

レポーターから一言
安部先生のお話は、国際協力を中心に広い世界でキャリアを重ねてきただけに、とても面白く勉強になる事柄が多かったのですが、残念ながら紙面の都合上割愛せざるを得ませんでした。今回は、先生のキャリアを中心にまとめさせていただきました。

(文責:H.K.)

 

 

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